山田悠介の原作小説(デビュー作)の映画化で、ホラーものかと思いきや実はパラレル・ワールドSF映画なのである。
しかしSF映画とは言えお金はかかっていない。そこらへんの街並みでロケーションを行い、SF的な意匠は独裁者(王様)の巨大な宮殿くらい。
腕が切断されたり、人間の胴体が真っ二つにされる切り株場面もあるにはあるが、それも特殊メイク担当者が少しがんばったかな?という程度(笑)物語のキモはやはり「リアル鬼ごっこ」という、ほとんど一発ネタに近いフィーチャーだろうか。「リアル鬼ごっこ」とは1日に1時間だけ行われる死の鬼ごっこで、追われるのは佐藤姓の人間のみ。
捕まればどこかへ連れ去られ殺されるらしい。鬼は死刑囚や重犯罪人で構成され、成績によっては恩赦が与えられる。
鬼は佐藤さん捜索用のGPSスコープ付き仮面をかぶり、同じく佐藤さん捕獲ワイヤー内蔵のコートを着用‥というスタイリッシュないでたち。
もちろんこれだけの内容であれば、単なる思いつきだけのB級ホラーで終わってしまうのだ。
そこにパラレルワールドという隠し味がちょい足しされて、意外とコクのある味わいとなった。本作冒頭で紹介される、佐藤さんが次々と謎の死を遂げていく事件も、このパラレルワールドを説明する伏線として上手く収束させているし、クライマックスも手堅い盛り上がりだ。

powered by Auto Youtube Summarize

おすすめの記事