出典:EPGの番組情報
北海道推し! 北海道道「オホーツク海 命はぐくむ大循環の謎」[字]
世界に誇る“生命の楽園”の秘密を解き明かす!▽昨年冬、大型プロジェクトが始動▽流氷前後で起こる「謎の現象」の解明に挑む▽発見した豊かさを作り出す「カギ」とは?
番組内容
【オホーツク海の豊かさはどう生まれるのか?】 北海道が世界に誇る“生命の楽園”の秘密を解き明かす!世界中の海を調査してきた研究者たちの英知が結集し、2年がかりで挑む大型プロジェクトが昨年冬に始動。狙うのは、流氷が解けた直後に植物プランクトンが大発生する「ブルーム」の真相。豊かさのカギだと考えられているが、詳細は一切謎のまま。今回、冬から春にかけての調査で全貌の解明に挑んだ末に見えてきた正体とは?
出演者
【出演】鈴井貴之,多田萌加ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – その他
テキストマイニング結果
ワードクラウド
キーワード出現数ベスト20
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- 一体
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
オホーツク海。 恵みの海。
あまたの生き物が躍動する
命の楽園です。
なぜ これほど 命ゆたかな海なのか。
それは いまだ誰も分かっていない…
その答えを求めて
今 史上最大規模の調査が始まっています。
世界中の海を調べてきた
研究者たちによる…
行く手を阻む…
その中で
最先端機器による計測が行われました。
捕まえたのは
命をはぐくむ謎の現象 ブルームの正体。
すぐそこにある 不思議の海。
初めての姿を見に 今 行かん。
♬~
こんばんは。 こんばんは。
「北海道道」鈴井貴之です。
多田萌加です。
今日のテーマは「オホーツク海の謎」です。
なんと 史上最大規模の調査が
始まったらしいんです。
赤松さん お願いします。
オホーツク海というと
北海道の皆さんも
豊かな海というのは
ご存じだと思うんですが
おいしいもの
鈴井さん たくさん とれますよね。
とれますよね。 やはり すぐ浮かぶのは
毛がに ずわいがに…。
ありますよね。
萌加さん サケ 釣ってたんですって?
釣ってました。 私 斜里に住んでたんで。
本当 すぐ近くに海があったので
魚釣りは よくしました。
魚釣りは 釣りでも
サケを釣るって なかなか… 道民でもね。
そうですか?
まあ でも たくさん豊かなね
海産物がとれる豊かな海なんですが
どうして豊かかというのは
実は よく分かっていないんですね。
それが 意外なんですよね。
やっぱり そういうイメージがあるのに
調査が 今まで行われてなかった?
実は 今まで
調査は行われているんですが
行く手を阻んで大きな壁になっていたのが
冬の嵐。
流氷 含めて 冬に どうやら秘密がある
ということは いわれていたんですが
なかなか本格的な調査
できなかったんですね。
でも 何かね
ガリンコ号とか そういうのでね…。
行けないんですかね。
行けないんですかね。
ということではなくて
今回は もっと本格的な大規模な調査が
この冬 初めて行われたんですね。
でも 何で冬に注目するのかというと
こちらです。
これ 衛星写真です。
流氷が明けた いなくなったあとの
オホーツク海なんですが
ちょっとアップにします。
この辺り 分かります?
何か こう
渦が巻いて マーブル状に見えますね。
緑っぽい…。
これね 植物プランクトン。
大発生してるんです。
はい ブルームという現象で
植物プランクトンが もう大発生する。
えっ こんな
衛星写真から見て分かるような
かなりの量ということですよね?
それだけ大発生してるということが
豊かな証拠ということなんですね。
で これがあるということは
この流氷が去ったあとに発生してるので
その前の冬に
何か秘密があるということで
大プロジェクトが行われた
ということなんです。
では そんなオホーツク海の大調査
一体どんなことが行われたのでしょうか。
オホーツク海の大調査は
去年12月に始まりました。
流氷が来る前の冬の海を調べます。
参加したのは
研究者や学生など 総勢19人。
生物 物理 化学など
さまざまなジャンルの専門家が
大学の壁を越えて集まりました。
今回 乗り込んだのは
日本が誇る大型学術研究船 白鳳丸です。
長期滞在に備え 風呂や食堂まで完備。
はい どうぞ。
頂きます。
さながら 海の上の研究所です。
出航から3日。
いよいよ宗谷海峡から
オホーツク海に入ります。
各自 早速 持ち場へ。
デッキの一番前で双眼鏡を構えるのは…
冬のオホーツク海に
哺乳類が どれほどいるか確認するため
ひたすら ここで観察します。
一方 こちらは…
はい じゃあ 一応リークチェックして
上のエアベントを閉めたまんま
下のコックを開けて
漏れてないことだけ確認してから…。
12本のボトルがついた装置を海に沈めて…
流れが複雑に入り組むオホーツク海。
どうやって
栄養や酸素が もたらされているのか。
そして今回 水班は
ある秘密兵器を
用意していました。
その組み立てが始まりました。
流れの強さや塩分の濃度
酸素の量を計測する装置などが
数珠つなぎになっています。
その長さは なんと1, 300m。
ここで出しましょうか。
全てを海に沈めることで
これから1年半 流氷に覆われる間も
ずっと海の中の様子を記録し続けます。
♬~
今回のプロジェクトの
最大の目的。
それは 流氷が去ったあとに起こる
ブルームの解明です。
写真で はっきり捉えられるほどの
植物プランクトンの大発生。
なぜ春に起きるのか
謎のままです。
研究者たちは その手がかりが
まさに この時期
流氷が訪れる前の海にあると
考えています。
調査は…
深夜作業をしていたのは…
海の底に筒状の装置を突き刺して
海底の泥を 30cmほど引き抜きます。
海底の泥は プランクトンの死骸などが
数十年分 積み重なった情報の宝庫。
この堆積物には
豊かさにつながる痕跡は眠っているのか?
時には 泥の中のプランクトンを
生き返らせて調べます。
(取材者)三谷先生。
はい。
航海が半ばを迎えた8日目。
恐れていたことが起きました。
強烈な低気圧が接近。
風速は 15mを超えました。
やむなく観測を一時中断。
再開できたのは
3日後でした。
遅れを取り戻すため
うねりが残る中 作業が続きます。
ちょっと1回締めて。
はい。
とりためた海水サンプルは
合計 数千本に。
休みなく調査が続けられる中…。
この日 思わぬ成果が見えてきました。
海の水温を示す このグラフ。
オホーツク海ならではの
不思議な現象を捉えていました。
その意味とは?
自然相手の調査って本当 大変ですね。
大変でしたね。
あんなに海が荒れちゃったら
船酔いとか…。
そうですよね。
やっぱ 体力も かなりないと
もたないのかなと思いますね。
いや~ しかも 冬寒いですよね。
いや 寒いですよ
海の上なんて海風が半端ないですからね。
でも ちょっと気になったのが
最後に出てきたグラフなんですけど
あれって 一体 何のグラフなんですか?
あれ 海水温のグラフなんですが
説明しますね。
これ 縦が深さです。
下に行くほど 深くなってます。
横が温度。
右に行くほど 温度が高くなります。
で 海面近くはプラスの4度ぐらい。 左上。
海面がね。
はい 海面近くが そうです。
プラス4度。
それが30mくらいですと 6度。
更に 水深60mくらいに
なりますと
プラスの10度。
上がってるんです。
あれ ちょっと何か
我々の持ってる常識とは
反対じゃないですか? 思いますよね。
えっ 深い方が温かい…。
何か 下から お湯が湧き出てるのか
そんなレベルのことじゃないですもんね
オホーツク海…。
普通ね お風呂とかですと 上の方が
あったかかったりするじゃないですか。
逆転してて
上の方が これ 冷たいんですよ。
これを発見した時に 研究者の皆さんは
証拠をつかんだと思ったそうなんですね。
っていうのは この逆転した海水温が
先ほどのブルーム大発生の秘密に迫る
カギで
実は 冬の嵐が 重要な役割を果たしてる
ということが分かってきたんです。
重要? はい。 ちょっと説明しますね。
ええ。
こちらです。
どういうことでしょうか。
これ オホーツク海なんですが
ふだんは 上が高くて 下が冷たい。
これ 普通の状態です。
普通は そうですよね。
ここに 冬の嵐が吹き荒れます。
すると この海面近くが かき混ぜられて…
かなり冷たくなります。
嵐によって?
はい 嵐によって かき混ぜられて
かなり冷たくなります。
これが グラフの状態です。
上が冷たくて 下が あったかい。
ここから先がポイントで
冷たい水って 鈴井さん 重いですよね?
重いということは 沈んでいきますよね
下に下がりますよね?
このかなり冷たい水が
下がっていって
沈んでいって そして
ここにあった水を
ぐ~っと押し出すように こうですね。
そうすると…。
押し上げる? はい。
大循環が起こると。
かき混ぜてくれるということですね?
この上がってきた冷たい水が重要で
もともと深いところにあるので
生物の死骸など
栄養分をたっぷりと含んでるんですね。
混ぜてくれる 大きな海を
こう かき混ぜてくれるという…。
ふだんは 重いから
上がってこないんですよ。
でも この嵐によって かき混ぜられて
大循環が起こることで 上に上がってくる。
で この栄養がもとになって
ブルームが大発生してる。
ほう~。 冬の低気圧の嵐が こう
海をかき混ぜてくれることによって
豊かな海が生まれてると。
そうなんですね。
はあ~ 意外でしたね。
本当 意外でした。
こんな役割を担ってたなんて…。
では そして 春 いよいよ研究者たちは
ブルームの海を目指して出発します。
ブルームの海では
一体 何が起きていたんでしょうか?
流氷が去った3月。
オホーツクでは 次々に
陸に上げられていた漁船が
海に下ろされます。
春を告げる風物詩 海明けです。
春の訪れに
科学者たちは 小さな調査船で海へ。
残念ながら 我々は乗船できないため
皆さんに撮影してもらいました。
4月10日 オホーツク海沿岸の広い範囲で
ブルームが確認されました。
船は ブルームが より強く発生している
エリアに向かいます。
♬~
いよいよ…
♬~
5分後
引き上げられたネットを見てみると…。
これが ブルームが起きている海の水。
色が変わるほど
プランクトンを豊富に含んでいます。
この種類を詳しく分析することで
ブルームの正体に迫れるはずです。
貴重なサンプルを研究室に持ち帰り
DNAレベルでの分析に移ります。
顕微鏡の先に見えてきたのは…。
学名…
流氷に付着していることが多い
植物プランクトンです。
この正体から ブルームが生まれる
大胆なメカニズムが見えてきました。
流氷がやって来る前の海は
冬の嵐が吹き荒れ
海水の大循環が起こります。
海の底から栄養が供給され
いわば 海全体が耕された状態。
そこに流氷がやって来て
やがて解けると
氷についていた植物プランクトンが
一気に放たれます。
まるで よく肥えた畑で
一斉に芽吹く種のように
プランクトンが爆発的に増えるのが
ブルームの正体だと
研究者たちは見ています。
冬のオホーツク海は
かつて 何もないと考えられていました。
でも いてつく流氷や吹き荒れる嵐が
実は…
こうして大発生した植物プランクトンは
自らが餌となって
豊かな食物連鎖を支えます。
冬から春へ。
季節を越えた大循環が
オホーツクの隠れた秘密だったんですね。
すごいですね。 陸の上であったり
それこそ ガリンコ号に乗って
流氷というようなものを観光として
あ~ きれいだね 雄大だねって
見てましたけど
その下では 壮大な生命のね こう
ゆりかごという表現もありましたけども
いろんなものが生まれて 豊かな海を
こうやって形成しているっていう…。
いや そうですよね。
そうやって見てました?
通学で見てたんでしょ?
いや そうなんですよ。 私 毎日 斜里から
網走まで こう 海沿いを汽車で…。
汽車でね。 通って。 毎日 オホーツク海を
眺めていたはずなのに
何で 豊かなんだろうとか
そういう疑問って 今までなくって。
だから ブルームっていう現象も
初めて知りましたし
すごい面白かったです。
いや そうですね。
本当に のほほ~んと生きてることを
反省してます。
いろんな知らないことが たくさんあって
すばらしいなあと思いましたね。
北海道の皆さん 僕もそうですけど
目の前にあるもの 当たり前すぎて
気付いてないっていうの
多いかもしれないですよね。
あの~ この海の大循環に
豊かなオホーツク海の栄養は
オホーツク海だけではなくて
釧路沖 三陸沖まで しみ出していって
太平洋の栄養も支えているということが
分かってきたそうなんです。
ほう オホーツク海だけの話ではなくって
その栄養素が
南下して 太平洋全体というか
三陸沖ぐらいまでは行ってる…。
いや~ これは オホーツク海っていうのは
すっごい大切なものだっていうことが…。
そうですね。
改めて分かりましたね。 びっくり。
いや 本当に 恥ずかしい話ですけど
このことすら 分かって…。
そうですよね。
いや~ また勉強になりましたね。
でも何か まだまだ知らないことって
やっぱ
まだ きっと北海道には あると思うので。
番組を通して また学べたらいいなと…。
北海道のポテンシャルも高そうですね。
そうですね。
はい ということで「北海道道」
それでは また… お会いしましょう。
さようなら。
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