歴史探偵「戦国の忍び」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

歴史探偵「戦国の忍び」[解][字]

今回は戦国の忍び。舞台は伊賀でも甲賀でもなく関東!初めて見つかった忍びの武器は土や石で出来ていた。戦国大名のもと暗躍した謎の忍び集団の知られざる任務も明らかに!

番組内容
今回の調査は「戦国の忍び」。近年、戦国時代の忍びの武器が発見されたことで、謎に包まれていた忍びの実態が見えてきた。舞台は伊賀でも甲賀でもなく関東。八王子城や岩槻城から見つかったのは、土製のまきびしと石でできた手裏剣。番組では忍びの武器の復元に挑戦。その驚くべき威力が明らかに!また、戦国大名のもと城の乗っ取りに暗躍した謎の忍び集団の極秘任務を徹底調査!関東を舞台に乱世を生き抜いた忍びの実態に迫る。
出演者
【司会】佐藤二朗,渡邊佐和子,【出演】多摩大学客員教授…河合敦,【リポーター】近田雄一

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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  16. 本軍
  17. 本田
  18. 関東
  19. 訓練
  20. 結構

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

♬~

今回の調査は…

しかし 現場は
伊賀でも
甲賀でもなく…。

東京・八王子の城跡に

戦国の 忍びの実態に迫る
武器が眠っていたのです。

各地を飛び回り 手がかりを次々と発見!

そうなんです。

見えてきたのは
戦いの勝敗さえも左右した

忍びの驚くべき能力です。

上杉謙信と北条氏の争いの陰で暗躍した…

難攻不落の城を乗っ取った
作戦とは?

「歴史探偵」 調査開始です。

♬~

忍び。 まあ 忍者のことですよね。

え~? アハハッ そうだったんですか!
すごい カッコいいっていう

その やっぱり手裏剣とかね
黒装束 着てね

僕の世代で言うと 赤影 青影
あと 「影の軍団」千葉真一。

いっぱい ヒーローがいましたよね。
そりゃ いました!

そう。 日本でも
ほんとに 漫画とかアニメとかで

たくさん取り上げられてて

海外の人にも
すごく人気が高いんですよね。

戦国時代にいた忍者ね。
はい。

調査を担当したのは 近田探偵です。
うん。

お疲れさまです。
所長の奥様 お疲れさまです。

あなた ほんと だけど
壁に隠れるのが似合うよね 何か。

違います!
あっ 令和の忍び? やった~!

いやいや 忍びっていうか… うん 何か
壁から出てくるのが すごい似合う。

あの 忍びといいますと 今 私が
披露したような「隠れ身の術」ですとか

あと こちら。
武器ですよね 忍びの武器。

まあ こうしたものを
イメージするんじゃないですか? 所長も。

そうですねえ。
それから これ! 分かります? 何だか。

ん? ごめん 分からないな。

これ 足にはめて つけて
あの 水面を

こう アメンボのようにスイスイ行く
あれですよ。

あっ これ 俺 初めて見た。

あら~ そうなの! そんなに謎が多いの?

はい そうなんです。 実は 今回ですね…

それ ものすごい発見じゃないの?
そうなんです それを つかんだんです!

おお!
はい。

戦国時代の 忍びの実態が
分かるかもしれない発見。

現地に行ってきました。

あ~ 看板 見えましたね。

八王子にやって来ました。

ただ…

やって来たのは
東京西部にある 八王子城の跡。

八王子城は 小田原を拠点に
関東を支配した北条氏が築いた

広大な山城です。

こんにちは~。
あっ こんにちは。

「歴史探偵」の近田と申します。

戦国時代の忍びについて
驚きの発見をした研究者です。

のっけからなんですけども…

見つかったんですか?
はい。

ここで見つかった忍びの武器とは
一体 何でしょうか?

早速…

やって来たのは 城の出入り口。

戦国時代の石垣や石畳が
忠実に復元されています。

城を守る要とも言える場所で
見つかったのが…。

何の武器 見つかったんですか?

まきびし!
はい。 あの まくやつ?

そうです。

ドラマやアニメでおなじみの まきびし。

鉄で出来た 鋭いとげがあるアレです。

実は 現存する まきびしは

江戸時代に作られたものが
僅かにあるのみ。

そんな中 戦国時代のまきびしが

忍びのイメージが薄い
関東に眠っていたのです。

え~? 是非 見てみたいです。

日本初の 戦国のまきびしとは

どんなものなのか。

八王子城の展示施設で見せて頂きました。

こちらが とげのあるタイプの
まきびしになります。

え? 私の知ってるまきびしと違う。

(村山)違います はい。

これ しかも 鉄じゃなくないですか?
(村山)そうですね。

土?

そう なんと材料は…

低温で焼いて固めた
陶器 素焼きだといいます。

とげの付き方が違う 2つのタイプが
合計4つ 見つかったそうです。

それが もう まさに…

実は まきびしの
4つのとげは

先端を結ぶと
それぞれの面が

正三角形になるように
出来ています。

これは 鉄製のまきびしと
全く同じ。

とげが 必ず上を向く
特殊な構造の武器は

まきびし以外には ないことから

この素焼きが まきびしだと考えたのです。

八王子城の発掘調査を行ってきた
村山 修さんも

驚いたといいます。

最初 村山さん その これ見た時に…

まさか八王子に こう

忍びに関係するものがあるとは
思いませんでしたね。

とはいえ 素材が粘土では
簡単に壊れてしまいそう。

これは 調査が必要です。

貴重な本物は 試すことができません。

ということで
まきびしを復元することにしました。

戦国当時は
城の近くでとれる土を使ったはず。

そこで 八王子の土で作品を作っている
嶋田英也さんに

協力をお願いしました。

作り方は
岩田さんから伝授してもらいます。

最も 重要なのは とげを付ける場所。

数ミリのとげを 均等に配置しながら
慎重に形を作ります。

その後 10日間ほど乾燥。

当時の作り方に近くなるように

まきを使った たき火の窯で

焼き上げました。

ゆっくりと半日冷ませば 完成です。

はい こちらになります。

あっ ありがとうございます。
よろしいですか? はい。

じゃあ ちょっと
カメラに向けて… こちらです。

はい! おお~!

おお~ おお~!

こちらが 完成した まきびしです。

ちょっと転がしてもいいですか?
どうぞ はい。

おっ とげが ちゃんと
上 向きますね。

そうだねえ。
おっ また!

私も 当初 話 お伺いして…

いや~…。
恐るべしですね。

嶋田さん お墨付き頂きました。

復元した まきびしを使って

どれくらい頑丈なのか 確かめます。

三重大学工学部の協力で
強度を測る耐圧試験を行いました。

まずは 厚さ2.5mmの木材を貫けるのか
圧力をかけていきます。

おお~!

難なく 貫通。

おお~!
めり込んでいきましたね。

めり込んでいったねえ。

続いては 更に丈夫な
ステンレスに挑戦です。

圧力をかけていくと…。

これは さすがに
とげが潰れてしまったか?

一気に いきました。
いや~ でも…。

…と思ったら 貫通していました。

焼き物でも 十分に強かったのです。

復元によって
もう一つ 大事なことが分かりました。

それは…

(嶋田)作品だと思います。
あっ そうなんですか。

強力で大量生産もできた まきびし。

実戦でも 十分 使えそうです。

今回の調査で もう一つ

戦国時代の 忍びの武器が見つかりました。

今のさいたま市にあった 岩槻城。

八王子城と同じく…

岩槻城と 近くの支城で発見された

5cmから14cmほどの 平たい石。

よく見ると
きれいな六角形のものもあります。

石の 平つぶて。

つまり…

六角形なのは 投げる際

角に指を引っ掛け
回転を加えるため。

江戸時代の鉄の手裏剣に よく似ています。

材料は 「緑泥石片岩」という石。

不思議なことに…

どうやって
石を手に入れたのか。

同じ埼玉県内の寺を
訪ねると…。

ご住職!

これ 色が…。

そうなんです。
一緒ですね。

なるほど。 えっ これ自体は 何ですか?

なるほど。

それが 同じ石が使われてるんですね。

同じ石ですね。 一緒ですね。

戦国時代
関東で 盛んにつくられた供養塔…

緑泥石片岩で出来ていました。

あの手裏剣は

城の周辺に立っていた
板碑を崩して作ったものだったのです。

出土した手裏剣の中には

板碑に刻まれていた 梵字の一部が

残るものもありました。

普通は。
そうですね。

やはり あの 供養のものですから…

では この板碑を どうやって
小さな手裏剣に加工したんでしょうか。

石材に精通する 地元の職人を訪ねました。

こんばんは。
あっ こんばんは。

「歴史探偵」でございます。
ああ どうも。

よろしくお願いいたします 今日は。

遠いところを わざわざ
ありがとうございます。 いやいや。

実は 緑泥石片岩は
薄く剥がれやすい性質を持っています。

そのため 小さくするには

現代の加工法とは
違う方法がとられたのではないかと

木村さんは言います。

(たたく音)

あっ… 確かに…

(木村)こういう感じで もう
ここが切れましたから。

まず 1辺 できました。

これ 作れたんではないのかなと。

金づちのような鉄の道具で

少しずつ 打ち割る方法。

これなら 戦国時代の石工や大工でも

簡単に作れたと考えられます。

僕 投げられたら
正直 もう 逃げますね。

嫌です。 痛いですもん だって。

今回 発見された
2つの武器から浮かび上がってきた

戦国の忍びの姿。

それは 地元にあるものから
武器を生み出し 戦う

地域密着型の
人々でした。

その 粘土のまきびしとかですね
石の手裏剣を使ってたなんて

ほんと 今までの 忍びのイメージには
ありませんでしたねえ。

今回 復元したもの
そちらに用意してあります。

まきびしと手裏剣ですね。

で まきびしは
VTRとは 少し製法が違うんですけれども

出来たものとしては ほぼ同じです。
なるほど なるほど。

う~ん いや ほんとに 六角形ですね。
ねえ。

こういう角に指をかけて こう投げる

回転つけて こう投げるっていうのは
割と 投げやすい。

まさに その投げ方すると
コントロール 結構 利くんですよ。

試しに投げてみたんですけれど

実際に 岩田さんに教わって
投げたんですけども

結構 投げられますね はい。

じゃ ちょっと私も いいですか?
ああ どうぞ どうぞ。

はい 失礼します。 あ~…。

ほんとに 六角形で
持ちやすい 投げやすいって感じですね。

先生もですか!
うちの妻と一緒じゃないですか。

ほんとに あの まあ…

なるほどねえ… なるほどね。

それで… この
こっちが そのまきびしですよ。

ちょっと 踏んでみたくなりました?
踏んでみたくはならないけど。

フフフフッ。

ちょっと 踏んでるとこを
見てみたいかな なんて思いまして。

ごめんなさい 椅子のところ…。
ご用意いたしました。

まさに 踏んでくれとばかりに…。
まあ どのくらい痛いのかっていうのを

ちょっと知りたいかなと思いまして。
嫌ですよ!

ほんと?

あっ! もう… 俺 あれかなあ。

どっか 内臓悪いのかな。
あらららら。

ツボに はまってますか?
痛い痛い 痛い痛い 痛い痛い!

そうだ そうだ そうだ。

うわ~。
ステンレスが突き抜けちゃうぐらいなんで。

ごめんなさい…

鉄の あの…。
まきびしと はい。

こういう まきびしと違ったんで。
とがったやつと はい。

で 実は その
戦国時代の 小田原の平定の時に

八王子城だとか あの 岩槻城の人たちは

みんな 本城の小田原城に
行ってしまっていて

まあ ほとんどの兵士は
武器を持って 行っちゃってたんですね。

なので 恐らく 相当ですね
武器が不足していたと思うので

まあ 多分 忍者のね 指示の下に

こういったですね ものを
作ったんじゃないかなと思うんですね。

弓や鉄砲などの武器が不足する中

忍びが作ったという
粘土のまきびし。

一体 どうやって使ったのか。

戦いの舞台となった
八王子城で

特別に許可を頂き
調査しました。

皆さん よろしくお願いいたします!

えいえい おう!

協力頂いたのは
城のガイドなどをしている

八王子城跡三ッ鱗会の皆さんです。

自前! 甲冑 自前!

早速 まきびしを
まこうとしたのですが…。

なんと まきびしは まくのではなく…

置く!?

ドラマとかで
ビャ~ッてやるんじゃないの?

踏んだら刺さるように
敷石の上に配置します。

あら そう!

まきたくなりますけどね。
ねえ?

確かに!
確かに。

とげのある まきびしの隙間には

同じように復元した
丸い土玉を置きました。

踏んだ相手を転ばせるのが ねらいです。

そうですね。
(岩田)多分 あの… 特にですね…

(ほら貝の音)

(馬のいななき)

豊臣の大軍を前に
防戦を強いられる八王子城に

敵兵が迫る。

城内には 周辺の村々から避難してきた

女性や子どもが…。

人々を守るために使われたのが

あの忍びの武器だった。

いざ 行かん!

おっ 踏んだ 踏んだ 踏んだ…

お~ 危ない 危ない!
大丈夫ですか?

バランス崩れます。

我慢だ。 あ~
今 刺さってます 刺さってます はい。

わらじに刺さってます…
あっ みんな 刺さってる。 あ~…。

痛い?

やっぱり これを踏むと…

歩くだけでも
わらじに まきびしが刺さります。

まして 素足のまま
走り込んでこようものなら

大変なことになりそうです。

まきびしを前にたじろぐ 豊臣軍。

そこに 後続の兵が押し寄せ 大混乱に。

忍びは これを見逃しません。

弓矢で 一斉攻撃。

敵を 一気にしとめます。

それでも 門を突破してきた敵がいたら…。

待ち構えていた忍びたちが
手裏剣を投げ 敵をひるませます。

(当たる音)
うぁっ!

その隙に 人々を城から逃がすのです。

忍者研究の第一人者 山田雄司さんは

武器が発見した意義を こう語ります。

現代人に まあ 忍者が隠れていて…

だって ねえ
まきびしを ピャ~ッて

俺 子どもの時 見てた
赤影も 青影も 白影も

みんな まいてたよ?
それも これから置くようになる。

赤影が こうやって きれいに。
ちょっと 粛々と置くという。

勢いは なくなるかもしれない。
ハハハッ 勢い!

今回も 前から所蔵していたものが

実は そうだったっていうことが
分かったらしいので…

今回の この調査では
やはり忍者というのは

地域に密着して活動していた
ということが分かりましたよね。

でも 所長…

やっぱり イメージ的にはですね…

よく あの 屋根裏に隠れて

そういう諜報活動といいますか 情報収集。

…を思いつきますけどね。

確かに 屋敷に潜入したり あとは…

はいはいはい。 あるじゃないですか。
ありますね。

ただ それはですね…

江戸時代の姿の忍びなんですよ。

ちょっと待って下さい。

そうでございます。
江戸時代よりも前ですよね。

まあ 諜報活動も
多分ね やっていたとは思うんですけれど。

戦国時代の忍びも。
はい。

そうか そうか。

ということで 続いての調査は…

忍びの任務に関する
貴重な記録があると聞き

足立区に
やって来ました。

そちらは…。

戦国大名
北条氏康が出した

公文書をまとめた史料。

(岩田)ちょっと さっと見て頂いて…

「忍」という漢字が…。
(岩田)はい。

1行目の下の方ですね。
下の方…。

あれか! 違うか。

全然違いました
ごめんなさい 全然違いました。

ごめんなさい。 (岩田)え~と こちらです。
これですか?

下から2文字目。
こちらが「忍」という字になります。

これ。

所長 ここですよ! 「忍」の文字!

まあ そうか。
言われれば分かる。

言われれば分かる。

何が書かれているかというと…。

(岩田)上から 「西要害
忍を以て 乗っ取りあげ申しつけ」

っていうふうに書いてあります。

「西城という城を

乗っ取ってほしい」
という

忍びへの依頼状です。

時は…

越後から攻め込んできた
上杉軍によって

関東の城は 次々と
落とされました。

しかし 上杉軍が
撤退すると

北条氏は 城の奪回に
乗り出したのです。

北条氏康は その一つ
西城を

忍びを使って
奪い取ろうとします。

北条氏にとって 忍びは特別な存在でした。

それは 家紋を隠して来るようにという

記述から うかがえます。

(岩田)
その紋をつけないで来た… 来てくれ。

そういうことが
ここに書かれてるわけですね。

家紋には
誰が手柄を立てたのか
分からせる

重要な役割がありました。

よろいや 陣がさに
大きく描いて

戦に臨むのが普通です。

そんな常識に反して 北条氏が
紋なしで来るように命じたのは

忍びが作戦に加わっているのを
敵味方問わず 隠すため。

つまり 忍びは この作戦のために
特に依頼して集めた者たちだったのです。

氏康は 何通も誘いの書状を送り

更に 莫大な成功報酬も用意していました。

西城近くの 4か所の領地に加え

現代の価値で 5, 000万円に値する

莫大な金。

破格の評価です。

そこまでして 氏康が味方にしたかった…

その名が 書状の最後に書かれていました。

「本田どの」。

一体 何者なんでしょうか?

手がかりを求めて
やって来たのは…

(岩田)こちらは…

…と考えられている…

「本田どの」とは
深谷市本田を拠点としていた…

今でも 子孫の方が暮らしています。

(ノック)
こんにちは~。

(岩田)あっ こんにちは。
こんにちは 「歴史探偵」の近田と申します。

本田氏について
調べているんですけれども

お名前は?
本田美佐江といいます。

やっぱり お名前も本田さんで…。

はい。

ハハハハッ!

それ いきなり言われる…
そう… ガーンだなあ。

ここにきて…

いやいや 大丈夫。

岩田さんが
ちゃんと 手がかりをつかんでいました。

家の裏側に向かいます。

先に進んでいくと 林があり そこには…。

これ 堀ですか?

なんと 戦国時代の
堀の跡が残っていました。

更に 奥には
13mほどの急な崖があります。

岩田さんは
館の堀や崖が

ある目的に
使われていたのではないかと

考えました。

その場所で…

(馬のいななき)

戦続きの戦国時代。

下級武士や 農民の中には

生きていくために
傭兵になる者が現れました。

本田氏も
こうした人たちを集め 訓練し

忍びの集団をつくり上げていたと
考えられます。

本田の忍びが乗っ取り作戦を行った
西城とは どんな城だったのか。

城跡は 現在 公園になっていました。

幹線道路が横切り
戦国時代の面影はありません。

西城は
発掘調査が難しく

僅かな堀の跡など

一部しか
分かっていません。

そこで 研究者の協力を得て

城の本丸周辺を 推定復元しました。

東には 中川

西は湿地帯が広がり

自然の防御機能に恵まれています。

更に 豊富な水で満たされた
堀が

平らな区画である曲輪を
ぐるりと取り囲みます。

その堀に沿って
土塁が築かれ

城の防御力を
高めていました。

低地に築かれた平城ですが

簡単には落とせなかったと
考えられます。

では 西城を
どうやって乗っ取ったのか。

岩田さんと推理します。

忍びの行動に関する
数少ない手がかりが

北条氏康の書状に記されていました。

「太田軍の
指揮下に入れば

他の者からの邪魔立ては
させないので

安心して励むように」。

「太田軍」とは
太田康資が率いる 北条本軍のこと。

忍びは 太田軍と連携し
動いていたことが分かりました。

この連携こそ
乗っ取り作戦のカギでした。

(岩田)太田軍にくっついていた忍びは

できれば 本軍で
攻めるべきところではないところに

回り込んでいる可能性が
高いわけですね。

戦闘が起こると

みんな そっちに気を取られてしまって
移動していく。

その間に こちらの方から

一気に本軍がですね
本丸を乗っ取っていくっていう。

本丸を狙う北条の本軍から…

それが 少数精鋭の忍びが果たす
任務だったと考えられるのです。

(遠吠え)

陽動作戦のため
城に忍び込もうと思ったら

夜が最適です。

夜の戦いに備え 忍びが
訓練していたことを うかがわせる

史料があります。

北条氏とは
別の大名が出した命令書。

「夜わざ」
つまり 夜間戦闘の腕を磨いた者に

敵の船を乗っ取らせようとしていました。

さて 夜になりました。

夜の戦いが どれほど難しかったのか
調査します。

ここは 埼玉県にある
戦国時代の城跡。

高いもので 20m以上の
堀と土塁が残っています。

戦国の忍びに成り代わり 挑戦です。

それでは 照明オフ お願いします。

いや もう… 放送事故ぐらいですね。
そうですね。

(草を踏む音)

結構 混乱するというか。

いや それは 暗さって
人を混乱させるしねえ。

結局 2mほど登ったところで
ギブアップ。

もう一つ 重要なのは
敵に気付かれずに忍び込むこと。

どれぐらいの音で
敵にバレてしまうのか

実験してみると…。

では いきま~す。

(草を踏む音)

今ね…

はい まさに。
ガサッ。

では…

お願いしま~す。

(かすかな草を踏む音)

フフフッ。

どうやら 忍びは
暗闇の中でも

静かに 俊敏に動けるよう
厳しい訓練を積んでいたようです。

調査結果をもとに

忍びの 西城乗っ取りの様子を

再現しました。

半月に雲がかかる 僅かな明かりの夜。

作戦は 静かに始まります。

紋のない 黒よろいに身を包んだ
およそ50人の忍びが集められました。

これは うわさどおりの堅固さじゃ。

最初の難関は 幅10mほどの水堀。

忍びならば
あの水蜘蛛を使って
渡るかと思いきや…。

舟を並べて 即席の橋をつくります。

集団で一度に渡る 効率的な方法です。

本田氏の館の近くには
荒川が流れていました。

川に慣れ親しんでいた忍びは
舟の扱いにも たけていたと考えられます。

堀を渡った先には
土塁と柵が待ち構えます。

しかし 忍びは難なく乗り越え
侵入に成功。

一人も生きて逃すな!
(一同)おう!

手裏剣を投げ 巧みに攻撃。

集まった敵の援軍は
まきびしで足止めです。

フッ。

すかさず 鉄砲で攻撃。

曲輪を占領した 忍びたち。

やぐらに火をかけ
外の味方に合図を送ります。

(岩田)十分に 敵軍を引き付けることが
できてるよっていう合図を

忍びが送ると

本軍が 一気に目的のところに
どっと なだれ込んでいって

奪ってしまう。

(やぐらが燃える音)

おお! 本田の忍びめ でかした!

総攻めじゃあ!
(一同)おう!

隠れていた
数千の北条の本軍が一気に押し寄せ

手薄になった城の本丸を制圧しました。

こうして忍びは 城の乗っ取り作戦を
見事 成功に導いたのです。

ねえ でも やっぱり
あの あんだけの報酬をさ

今で言う 5, 000万円だっけ

よっぽど 優秀な
人たちだったんだね 忍びってね。

具体的な訓練の内容までは
実は 記録にはないんですけれども

ほんとに…

まあ 少なくとも
あなたには 絶対 無理なんだね。

何回か殺されてると思いますけれども。

で 所長 その忍びという集団は

実はですね 全国各地で
活躍していたんではないかという。

有名な 伊賀 甲賀。

で 先ほど ご紹介しました
北条以外にも

戦国武将では 今川 武田

そして 毛利 島津と

いろんな大名が

忍びを使っていたということが

記録で残っているんですね。

…っていうことだったんじゃないかなと
思うんですよ。

これだけ多くの武将が頼ったっていう
忍びにね。

ただ この…

はい そうなんですね。

…っていうふうに思われるんですね。

そうなんだ それも 何か ちょっと…

何か忍びは ものすごいスキルを
苦労して身につけて…

そうですね 代々ね。
確かに。

随分 今日1日で
忍びのイメージ変わりましたね。

ですよね。 まあ 我が歴史探偵社も
忍びの集団のように

やっぱりね 暗躍して いろいろ…。
暗躍しなくていいんじゃない?

これ 全国で放送してるし。
あっ そっか。 結構 表立ってるか。

「あっ そっか」じゃないんだよ。
ね? 渡邊さんは。

いや でも今回ね 近田探偵が
調査をしてくれ…

え? どうしました?
どうしました?

では 報告終わったので 失礼します。
お疲れさまでした。

あら ドロンしましたわ。

しかも最後 「ドロン」って
言ってほしかったんだけどねえ。

締めも失敗しましたね。
いや 締めも失敗して… 河合先生が!

Source: https://dnptxt.com/

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