パレスチナ自治区ガザに侵攻を続けるイスラエルのネタニヤフ首相が、多くの市民が避難する南部ラファでの作戦を承認しました。実際にイスラエル軍が進軍すれば、犠牲者のさらなる増加は避けられません。
イスラエル首相府は15日、声明を出し、ネタニヤフ首相がガザ南部ラファでの作戦計画を承認したと明らかにしました。
ラファには、ガザ全域から集まった市民100万人以上が避難しているとされていますが、イスラエルは「ハマスの最後の砦」として、地上部隊による軍事作戦の展開を示唆してきました。
声明では、「イスラエル軍が軍事作戦と市民の退避の両面から準備を進めている」などとしていますが、日時など詳細については明らかにされていません。
イスラエル軍がラファで実際に作戦を開始すれば犠牲者のさらなる増加は避けられず、最大の支援国アメリカをはじめ、国際社会からは自制を求める声が上がっています。
こうしたなか、中東アルジャジーラは“ハマスが交渉を仲介する国々に対して、新たな停戦案を提案した”と報じました。
停戦案は3段階で構成され、第一段階ではハマスが人質となっている女性の予備役を1人解放するごとに、イスラエルは拘束しているパレスチナ人50人を釈放するとしています。その後、恒久的な停戦とイスラエル軍のガザからの撤退について合意した後、残るイスラエル兵の人質を解放するとしています。
ハマスはこれまで“人質解放の前に恒久的な停戦が必要だ”との主張を続けてきましたが、今回、一定の譲歩をした形です。
イスラエル側は「ハマスの提案はばかげている」とした一方、“交渉団がカタールを訪問する予定だ”と明かしています。
アメリカ ブリンケン国務長官
「民間人の安全を確保するだけでなく、衣服、食料、医薬品、保護施設など住民保護のための明確で実行可能な計画が必要だが、そのような計画はまだ見ていない」
イスラエルのネタニヤフ首相が承認したラファでのイスラエル軍の作戦計画について、アメリカのブリンケン国務長官は「まだ見ていない」と話すとともに、民間人を保護するための実行可能な計画の必要性を改めて強調しました。
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